TDR計測の応用の拡張とその機能特性

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20580265
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 農業土木学・農村計画学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 筑紫 二郎 九州大学, 生物環境調節センター, 教授 (00127458)
• 研究分担者: 伊藤 祐二 佐賀大学, 低平地沿岸海域研究センター, 研究機関研究員 (60526911)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: TDR / 誘電率 / 電気伝導度 / 電磁波パルス / マイクロ波 / 淡塩境界面 / 校正曲線

研究概要

TDRの新しい応用を展開し,それらの機能特性を明らかにすることによって,新計測手法を確立することを目的とした.本報告では,行った研究のうち,3つのテーマの成果をまとめている.(1)地表付近の土壌水分分布を計測するために,幅3cmの電子基板に8個のプローブを備えた多点TDRプローブ(MWP)を開発し,その性能について調べた.砂とマサ土における蒸発過程について計測したところ,MWPの利用によってそれら土壌における水分変化の特徴をとらえられることが認められた.(2)水中の土砂の堆積をモニタリングするためのTDR計測法の適用性を調べた.計測において,水の電気伝導度の影響が小さいことを見出すとともに,誘電率と堆砂深との間で線形関係を得た.(3)TDRによる淡水と塩水との境界面の検出を試みた.TDR波形の分析から,境界面のレベルを高精度で推定することが可能であった.同時に淡水の電気伝導度も高精度で測定できることを認めた.

研究成果

• [雑誌論文] マイクロ波のエネルギー吸収特性を利用した淡塩水境界面の計測 (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤祐二, 宮本英揮, 郡山益実, 筑紫二郎, 瀬口昌洋
  • 雑誌名: 土木学会論文集B 66/2 ページ: 189-195
• [雑誌論文] TDRによる表層水分計の開発とその有効性の評価 (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤祐二・筑紫二郎・宮本英揮
  • 雑誌名: 土壌の物理性 111 ページ: 35-41
• [雑誌論文] 時間領域反射法による水位・電気伝導度および土砂表面位の計測 (2008)
  • 著者名/発表者名: 宮本英揮・筑紫二郎・呉宅根
  • 雑誌名: 土壌の物理性 108 ページ: 37-45
• [学会発表] Multi-TDR probe designed for measuring soil moisture distribution near the soil surface. (2010)
  • 著者名/発表者名: 伊藤祐二, 筑紫二郎, 宮本英揮
  • 学会等名: 19th World Congress of Soil Science, Soil Solutions for a Changing World 117-120
  • 発表場所: Brisbane, Australia.
  • 年月日: 20100801-20100806
• [学会発表] Measurement of interface level between fresh and salt water layers in terms of energy absorption characteristics in microwave. (2010)
  • 著者名/発表者名: Ito, Y., H. Miyamoto, M.Koriyama, J.Chikushi, M.Seguchi
  • 学会等名: Joint Symposium on Integrated Water and Soil Management between Water Resources University, Vietnam, and Kyushu University, Japan
  • 発表場所: Hanoi,Vietnam.
  • 年月日: 2010-11-22
• [学会発表] TDRによる水中堆積土砂表面位の評価法 (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤祐二・筑紫二郎・宮本英揮
  • 学会等名: 平成21年度農業農村工学会大会講演会
  • 発表場所: 筑波
  • 年月日: 20090800
• [図書] 土壌の誘電特性:計測原理と応用 (2010)
  • 著者名/発表者名: 筑紫二郎
  • 総ページ数: 135
  • 出版者: 九州大学出版会