研究概要 |
20年度の研究では,石炭灰(以下FA)の違いがPAEの混入量に及ぼす影響を確認するために,3箇所の発電所から排出されるJIS灰および非JIS灰の計6種類のフライアッシュを用いて実験を行った。さらに実証研究としてプレキャスト製品(以下PCa製品)の試作を行った。研究の結果以下のことが明らかとなった。 (1)未燃カーボンの指標となる強熱減量は1.87〜5.21%であったが,プレフォーム型AE剤の使用量は2%前後に安定していた。このことからPAEは,FAに含まれる未燃カーボンによる消泡作用の影響を受けにくく,空気量のコントロールが容易であることがわかった。 (2)3種類の非JIS灰を185kg/m^3用いて鉄筋コンクリートベンチフリュームを試作した。185kgと大量のフライアッシュを使用したにもかかわらず,プレキャスト製品を作製することができた。また,製品の曲げ強度はJIS規格値を大きく上回った。さらに耐凍害性の観点からも問題はなかった。 (3)再生骨材Mを粗骨材として全量用いたコンクリート製品においても強度、耐久性の観点からは問題はなかった。 (4)プレフォーム型AE剤を用いたフライアッシュコンクリートは、独立空気の粒径が小さく,気泡間隔係数が小さいことから耐凍害性が高いと判断された。
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