研究課題/領域番号 |
20580271
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・農村工学研究所 |
研究代表者 |
塩野 隆弘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農地・水資源部・農地工学研究室, 研究室長 (30343982)
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研究分担者 |
小川 茂男 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・企画管理部・業務推進室, 室長 (00414425)
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キーワード | 土壌侵食 / 降雨係数 / 気候変動 / RCM20 |
研究概要 |
GCM出力のダウンスケール化による将来の降雨分布の推定と土壌侵食危険度評価 1.GCM出力の統計的ダウンスケーリング手法の改良及び将来の降雨分布の推定 将来の降雨分布の推定を目的とした、GCM出力の統計的ダウンスケーリング手法の改良及び将来の降雨分布の推定に関しては、気象庁より地域気候モデルRCM20データの提供を受けることにより達成された。当該データには、過去1期間(1981~2000年)と将来2期間(2031~2050年、2081~2100年)における20kmメッシュの日降水量データが格納されている。 2.将来の気候変動に伴う農地の土壌侵食危険度評価 日本全国の畑地を対象に、土壌侵食の降雨因子の指標である降雨係数Rの過去と将来の値を比較した。はじめに、アメダスの各観測地点(1043地点)において、日降水量からR値を推定するための関係式を求めた。次に、求めた関係式とRCM20データを基にアメダス観測地点の過去と将来のR値を求めた。最後に、空間補間により畑地における過去と将来のR値を求め、これらの値の割合を求めた。 この結果、日本全国の畑地を対象とした将来のR値の平均値は過去め値に対して1.26または1.23倍となり、将来の気候変動により土壌侵食が全国平均で2割程度増加する方向に影響を受けることが示唆された。また、将来のR値が過去の値に比べて増加している畑地面積は88または99%を占め、ほとんどの畑地が将来の気候変動によって土壌侵食が増加する方向に影響を受けることが示唆された。
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