研究概要 |
本研究はブルーベリーと,ユニバーサルデザインに注目した。ブルーベリー農園を4分類(A;大規模農園、B;小規模農園、C;観光・教育・福祉農園、D;趣味農園)して、ユニバーサルデザインの概念を考慮したブルーベリー栽培システムの構築を目指した。21年度はB;小規模農園とC観光・教育・福祉農園を中心に研究を実施した。 ■B;小規模農園 主に「大学開放事業」の一般参加者を対象に収穫補助用具を用いた収穫(改善法)と腰カゴ収穫(慣行法)との2水準で比較を行った。その結果、改善法は,選別時間が増えたが,収穫効率の向上で十分に補うことが可能であり,主観調査の結果も全般的に良好で,全身の筋負担も増加することがなく,改善型の有効性が確認できた. ■C観光・教育・福祉農園 主に「学び直しプログラム」の受講者や生産技術基礎実習の学生を対象に、(1)視覚制限、(2)下肢制限、(3)肘・膝制限、(4)手・指制限状態で作業体験を行った。その結果、作業の大変さや面白さ等を理解するとともに、農作業と福祉の関係について考え、さらに車いす等を利用する側、介助する側、観察する側を交互に体験することでコミュニケーションの大切さを体感できることがわかった。とくに、アンケートの自由記述文を解析ソフトで内容分析を行い、文字テキストに潜在する学生の想いやプログラムの有する課題等を比較的簡易に汲み上げることが確認できた。 ■現地調査・成果発表 山間地のブルーベリー栽培について福津農園(愛知県)に調査(4月、9月)を、また、日本農作業学会(4月)、農業生産技術管理学会(9月)、人間・植物関係学会(9月)、農村工学研究所研究会(3月)でそれぞれ中間成果発表を行った。 今後,A;大規模農園も含めて、量的及び質的なアプローチを適切に組み合わせることで,より妥当性の高い分析を目指していく意向である。
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