研究概要 |
本研究はブルーベリーと,ユニバーサルデザインに注目した。ブルーベリー農園を4分類(A;大規模農園、B;小規模農園、C;観光・教育・福祉農園、D;趣味農園)して、ユニバーサルデザインの概念を考慮したブルーベリー栽培システムの構築を目指した。22年度は主にA大規模農園とC観光・教育・福祉農園を中心に研究を実施した。 1.A大規模農園 夏期に島根県および鳥取県のブルーベリー園において、小型シェーカー(ふるい落とし機)を用いて振動収穫を実施した。振動収穫機の動力源や振動の大きさによって収穫能率・精度に差はなかったが、小果柄付着果割合の程度によって選別時間が異なった。機械収穫の省力化には振動収穫に付随するシート設置+回収作業の時間割合を低くすることが重要であるが,そのためには今回用いたシートの敷設よりもキャッチングフレームの導入が有効であることが明らかになった。 2.C観光・教育・福祉農園 ブルーベリー栽培を基軸にした農作業体験プログラム、とくに、ブルーベリー栽培(農力)と子どもの遊び(遊力)の統合を目指したプログラムを一般者、20代前後の若者、小学生、幼稚園生、福祉施設の園生等を対象に実践し、主に質的に調査を行った。PDCAサイクルの概念をプログラムに導入することで、継続的な改善が明確になり、また、フィールドワークの評価の際、参加者と居合わせ、寄り添うことの重要さを体感することができた。 これらの成果の一部は、日本農作業学会や人間・植物関係学会、農業生産技術管理学会で発表し、関係者と意見交換を行った。その結果、本研究成果を活かすために、「畑のある冒険遊び場で子どもの「遊力」と「農力」を育む」をテーマに今後、研究を発展させていく予定である。
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