研究課題
界面動電処理によるトマト'ハウス桃太郎×マグネット'を供試した発芽・初期生育試験の結果、茎・葉・根の新鮮・乾物重はともに処理区>対照区となった。苗を移植し、グリーンハウス内のNFT栽培試験を行った(定植後、第3花房開花後、上2葉を残して摘心、培養液は大塚ハウスA処方(EC1.0dS/m^<-1>)を使用)結果、栽培期間中のpHは処理区で6.5~8.0、対照区で5.0~7.0で変化し、処理区はアニオン・カチオンともより多く吸収された。収穫後のアミノ酸分析の結果では、機能性成分(抗酸化性成分)に差が生じた。また培養液の無交換方式による連続栽培においては、pHの変動係数は処理区6%〈対照区11%となり、培養液の緩衝能は処理区〉対照区を示した。培養液の構造的な状態変化は、両試験区間の生育に大きな差として現れ、根における吸収量を比較すると、処理区〉対照区であった。水・培養液の環境悪化によるストレスは通常の栽培で生じやすいが、動電処理を行った処理区では根の周辺の培養液に構造的な変化が生じ、界面活性効果が現れた。これが培養液の断熱効果となり、環境ストレスに対して根の適応性が早まるとともに、早期に細根や根毛の発達が旺盛となり、養水分の吸収が促進されるといえる。NFT栽培試験の結果から、培養液を処理することにより、培養液の水素結合が増し(培養液の液質に変化が生じ)、根からの養水分吸収と生育が促進された。また収穫時の遊離アミノ酸含有量も増加した。これらの結果、界面動電処理による培養液の構造制御法の基礎的データが明らかとなった。
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Journal of Plant Nutrition
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