| 研究課題/領域番号 |
20580279
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| 研究機関 | 長崎大学 |
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研究代表者 |
北村 美江 長崎大学, 環境科学部, 教授 (40108337)
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| 研究分担者 |
山口 健一 長崎大学, 水産学部, 准教授 (90363473)
山田 耕史 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00253469)
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| キーワード | エリート植物細胞 / 有用物質生産 / 代謝工学 / ストレス / 組織培養 / 国際情報交換 / インド |
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| 研究概要 |
昨年に引き続き、これまでに確立した優れた形質をもつエリート植物細胞を用い、アスコルビン酸が有用なストレス化合物を生産する機構と重金属欠乏が生合成経路を改変する機構の解明に取り組んだ。また、バイオリアクターを用いての毛状根培養による有用物質の大量生産の試行について、経験の豊富なインドのCIMAPとの共同研究を進めることで合意した。以下には生産機構の解明に関して得られた成果を述べる。
1)ヒヨスの毛状根による鉄欠乏ストレス下での特異的なリボフラビン(ビタミンB_2)の分泌が呼吸と関連し、ミトコンドリアの鉄要求性の高いフラボ蛋白質が使用されないことに起因する可能性を示した。そこで、呼吸鎖電子伝達系に関与するこれらのタンパク質の遺伝子のクローニングを行い、発現解析を行った。しかし、転写レベルでは鉄欠乏下と鉄十分下で差がみられるものを見出せなかった。今後は、プロテオミクスの手法によるタンパク質レベルでの発現解析を行う。また、FMN/FADの分解によるリボフラビン生産の可能性を検討するため、分解酵素活性の測定法を確立した。この測定法により、今後解析を進める。
2)ハマボウフウの培養根にアスコルビン酸処理すると、鉄欠乏下で新たなフェノール化合物を誘導することを昨年確認した。この機構が、アスコルビン酸処理により、細胞死が増加すること、アスコルビン酸の分解に伴い、発生するアスコルビン酸ラジカルによるストレスが原因と推定されることを、ラジカル種を特定することで示した。また、鉄とアスコルビン酸の共存する場合とアスコルビン酸単独の場合では生産するフェノール類が異なり、これと関連するように、細胞死のレベルとアスコルビン酸ラジカルの強度が鉄とアスコルビン酸が共存する場合に、単独よりも強くなることが判明した。人為的に鉄を操作することで、有用物質の生産を制御できることを見出した。
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