研究概要 |
本研究では,地下水が流動する際に発する微少な音波を地表面から簡易に集音し,砂丘内の地下水分布を明らかにすることで,砂丘内のオアシス発生メカニズムを解明することを具体的な目的としている。平成21年度までの成果で,音圧からおおよその地下水面深度を推定することが可能になった。平成22年度は,地下水の湧き出し口周辺を詳細に探査し,オアシス発生の解明を行った。 砂丘内に火山灰分布域および地下水湧水地点を含むおよそ1kmの測線を作成し,地下流水音探査を行なった。また,同時に測線上にて2次元比抵抗映像法および地下水面調査を行った。測定の結果,オアシスの湧き出し口に向かって谷状に地下水面の起伏があること,また,その形状は深度1-2m程度に分布する火山灰層に大きく左右されていることが明らかになった。また,オアシスは海抜20m付近に位置するが,ここから海面に向かって火山灰層が傾斜しており,オアシスと海との間にある比高20mの砂丘列の下を抜けるように,地下水面が形成されていることが明らかになった。
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