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2009 年度 実績報告書

ハイブリッド音響センシングによる草本植物のエンボリズム密度計測技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20580283
研究機関埼玉大学

研究代表者

蔭山 健介  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (30272280)

キーワードエンボリズム / アコースティック・エミッション / 水ストレス / 超音波 / 乾燥ストレス / 草本植物
研究概要

(1)灌水時のAE多点測定によるミニトマト茎部のエンボリズム危険度の評価
4個体のミニトマト茎部にAEセンサを取り付け,キャビテーションによるAEを検出し,灌水前後のAE発生頻度の変化率(RAE)を調べ,土壌水分率,土壌ポテンシャル,灌水量を比較した。乾燥ストレスが増加するに従いRAEも増加し,乾燥条件においては,潅水量の変動に対して土壌水分率よりも強い相関を示した。このことから,RAEを用いて乾燥条件下での相対的なエンボリズム密度を推定可能と考えられた。一方,湿潤条件下においてもAEが検出されたが,RAEは乾燥ストレスとの相関は認められず,灌水時の乾燥ストレス変動が小さいためと考えられた。トマトのような乾燥条件下で栽培を行う場合にはRAEは生育診断に有効な指標と考えられ,今後検証を続ける予定である。
(2)ハイブリッド音響測定によるミニトマト茎部の水分診断
ミニトマト茎部に圧電発音体,AEセンサ,加速度センサ,径ゲージを取り付け,キャビテーションによるAE,茎部を伝わるガイド波の生成と検出,昼夜の茎径変化の同時測定(ハイブリッド音響測定)を行った。その結果,茎部を伝わるガイド波は周波数分散を示し,100kHzでの音速はミニトマトの成長とともに単調に増加し,維管束厚さに相関があると考えられた。一方,5kHzでの音速は昼夜で大きく変動し,茎径変化と良い一致を示したことから,水ポテンシャルの低下による木部の負圧変動に対応していると考えられた。AE測定については,RAEは常に高い値を示す傾向にあり,多点測定の結果とは異なる挙動を示したが,この実験のミニトマトは摘芽を行っていた事が原因と推測され,摘芽により維管束が充分に発達していない可能性を示唆した。このことから,今後は,摘芽の影響を調べ,維管束組織を充分に発達させながら,成長量を制御するための条件を明らかにして予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Estimation for Embolism Risk of Tomato Using Acoustic Emission Response to Increased Drought Stress2009

    • 著者名/発表者名
      Kensuke Kageyama
    • 雑誌名

      Environment Control in Biology 47

      ページ: 127-136

    • 査読あり
  • [学会発表] ハイブリッド音響測定によるミニトマト茎部の水分診断-乾燥ストレスによる音速とAE発生挙動の変化-2009

    • 著者名/発表者名
      蔭山健介
    • 学会等名
      農業環境工学関連学会2009年合同大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-09-12
  • [学会発表] Electret Condenser Sensors with Layered Micro-gaps for Ultrasonic Measurement of Rubbers2009

    • 著者名/発表者名
      Kensuke Kageyama
    • 学会等名
      The 13^<th> Asia-Pacific Conferene on Non-Destructive Testing
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-09-11
  • [備考]

    • URL

      http://mehp.mech.saitama-u.ac.jp/intro/info2.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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