研究概要 |
傾斜した屋根内表面に対する豚体の放射伝熱形態係数を数値計算で解明するために,豚体の最大幅の中点をX軸の原点,最大高さの中点をY軸の原点,全長の中点をZ軸の原点とする右手系の3次元座標系において,サーフェスモデル豚(体表面が多数の三角形パッチで覆われた3次元多面体コンピュータグラフィックスモデル)がこの座標系の原点を豚体中心としてZ軸の正の方向を向いて立位し,豚体の中心からD(=1,1.5,2,2.5,3m)だけ離れたY軸上の点を矩形面の頂点とし,この頂点を作る1辺がX軸と平行に,他の1辺がZ軸と傾斜角θ(=-30,-25,…,-5,0,5,10,…25,30°)で位置し,それらの長さがA(=0.5,1,1.5,…,3m),B(=0.5,1,1.5,…,4.5,5m)である傾斜矩形面を豚体後方の右側と左側にそれぞれ配置し,豚体が反時計回りに15°間隔で1回転するときの傾斜矩形面すなわち屋根内表面に対するサーフェスモデル豚(体重27,65,88kg)の形態係数を,本研究用コンピュータシステムで計算した。得られた結果は次の通りである。 1.傾斜矩形面に対して豚体が1回転するときの形態係数は豚体回転角が45°,135°,225°,315°において順に極小,極大,極小,極大となる二峰型曲線の変化を示した。 2.豚が自由に動き回ることができる豚房式群飼型飼養形態を想定し,豚体が1回転したときの形態係数の平均値を豚体後方の右側と左側それぞれにおいて求め,さらにこれら両者の平均値を全方位形態係数とすると,屋根傾角が-30°から30°に変化するとき全方位形態係数は直線的に減少することが明らかになった。 3.27kg豚,65kg豚,88kg豚において計算結果をD,θ,A,Bを変数としてグラフ化し,全方位形態係数算定図をそれぞれ作成した。
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