研究課題/領域番号 |
20580288
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
若松 純一 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30344493)
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研究分担者 |
服部 昭仁 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50125027)
西邑 隆徳 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (10237729)
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キーワード | 亜鉛プロトポルフィリンIX / パルマハム / 色調 / 食肉製品 |
研究概要 |
ZPPの前駆物質であるPPIXの形成機構について、PPIX形成に及ぼすヘム合成酵素の影響と、ヘムからのPPIX形成反応を検討した。また、亜硝酸塩によるZPP形成阻害機構および、水溶性ZPPの存在形態について検討することによりZPPの形成機構を明らかにすることを目的にした。 ヘム生合成経路からのPPIX形成は、BPG以降の物質より合成されたコプロポルフィリノーゲンIIIがCPOによってプロトポルフィリノーゲンIXとなり、プロトポルフィリノーゲンIXが非酵素的に酸化されてPPIXが形成されることが示唆された。一方で、ミオグロビンやヘミンもPPIXの形成量を増加させたことから、PPIXはヘーの生合成経路とミオグロビン中のヘムからの両方から形成されていることが示唆された。また、ヘムからのPPIX形成反応には、ミオグロビン中のヘムよりも遊離のヘムの方が利用されやすいことが示唆された。 亜硝酸塩によりZPPが形成されないのは、亜硝酸塩が示す酸化作用の影響ではなく、亜硝酸塩より発生する一酸化窒素が、ヘム生合成に関与する酵素の活性を阻害したり、ヘムと結合してPPIXの基質を減少させることでPPIXの形成を阻害したためであることが示唆された。パルマハムの中の水溶性ZPPはミオグロビンではなく、アルブミンをはじめとする特定の水溶性タンパク質と弱い結合で複合体を形成していることが示唆された。パルマハム中の水溶性ZPPは、PPIXより形成されたZPPがアルブミンなどの限られた水溶性タンパク質と弱い結合をして可溶化し、パルマハム中に存在していることが示唆された。
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