PPARγはリガンド依存性核内転写因子として脂肪細胞分化に大きな役割を果たしている。さらに、PPARγの合成リガンド投与は筋肉内の脂肪細胞数を増加させることが実験動物において報告されている。そこで本試験では、飼料として利用可能な様々な草類や食品製造副産物に含まれるPPARγ活性化因子の探索を行っている。PPARγのリガンド結合ドメインとGAL4のDNA結合ドメインからなるキメラタンパク質を合成するプラスミドを用いて、ウミホタル由来ルシフェラーゼおよびβガラクトシダーゼ発現プラスミドと共に培養細胞COS7にトランスフェクトするLuciferase Reporter Assay Systemにより、各種草種より抽出した脂溶性成分に対しリガンドアッセイを行った。その結果、ザクロやサイカチ、フジ等の植物に活性化因子が含まれている可能性を示した。 さらに、最近泌乳牛や産卵鶏などで問題となっている脂肪肝の予防や治療にも関わると考えられるPPARαのリガンドアッセイについても行う。PPARαは主に肝臓で発現し、脂質代謝関連遺伝子の発現調節を行う転写因子である。これまでもその天然のリガンドが様々な植物成分中から発見されている。本年度はPPARαのリガンド結合ドメインとGAL4のDNA結合ドメインからなるキメラタンパク質を合成するプラスミドを作成した。ウミホタル由来ルシフェラーゼおよびβガラクトシダーゼ発現プラスミドと共に培養細胞COS-7にトランスフェクトするLuciferase Reporter Assay Systemを用い、PPARγと同様のリガンドアッセイの系の立ち上げを目指す。
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