研究課題
Lactobacillus reuteri JCM 1112^T(親株)と、そのgupCDE遺伝子破壊(ΔgupCDE)株のノトバイオートマウスを用いて、^<13>C_3-グリセロールの代謝産物であるロイテリンおよび1,3-プロパンジオールのin vivo検出と定量を行った。その産生に関連するL.reuteriの5つの遺伝子についてトランスクリプトーム解析を行い、宿主消化管内のグリセロールの有無が、本菌株の遺伝子発現に与える影響を検討した。L.reuteriのΔgupCDE株およびL.reuteri JCM 1112^T(親株)をgerm-freeマウスへ経口投与し、それぞれのノトバイオートマウスを作出した。各ノトバイオートマウスに^<13>C_3-グリセロールを含む飲料水を自由摂取させ、^1H,^<13>C-2次元NMR法により、消化管内容物および糞便中のロイテリンを検出・定量に成功した。さらに、各ノトバイオートマウスの腸管内容物からL.reuteriのRNAを精製し、トランスクリプトーム解析を行い、各菌株おいてグリセロールの有無による遺伝子発現プロファイルを比較した。その結果、グリセロールの自由摂取により、マウス消化管内のL.reuteriのもつグリセロール輸送遺伝子およびロイテリン合成に関与する5つの遺伝子発現が強くなる傾向を得た。すなわち、消化管に到達したグリセロールによりそれらの遺伝子が誘導されており、in vivoでのロイテリン産生を裏付ける知見を得ることができた。以上のことから、経口摂取したプロバイオティクスが、消化管内で抗菌物質を産生している証明となる。今後、食中毒細菌を生菌摂取し、抗菌性が発揮されるかどうかを試験する予定である。
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