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2009 年度 実績報告書

東南アジアのホットスポットに生息する希少動物の生息域外保全に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20580306
研究機関岐阜大学

研究代表者

土井 守  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60180212)

研究分担者 楠 比呂志  神戸大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30211882)
キーワード希少動物 / ホットスポット / 生息域外保全 / ステロイドホルモン / 東南アジア
研究概要

当該年度では、各々の動物園での研究実施体制の相違から、アジアゾウおよびサイ(インドサイ、クロサイ)及びアムールトラにおける内分泌モニタリングを主に行った。
これらの動物種の糞や尿に含まれる性ステロイドホルモン代謝物を高速液体クロマトグラフィーで定性し、それらの含量の測定を開始して繁殖生理を解明した。
アジアゾウでは、(1)糞・尿中のプロジェステロン(P4)含量の動態から13.5~16.3週間の発情周期が確認できたこと、(2)尿中のエストラジオール・グルクロニド濃度が尿中P4濃度の上昇直前とその約21.3日前で2度のピークが確認できたこと、(3)黄体期と妊娠期では、糞中と尿中で5α-Pregnane-3,20-dioneなどの5α系プレグナンが各々3種類または2種類同定できたこと、(4)雄の糞・尿中のテストステロンやアンドロステンジオン(Ad)の動態から性行動との関係やマスト期の把握ができることを解明した。インドサイとクロサイの妊娠期と卵胞期における糞中の性ステロイドホルモン代謝物の同定を試み、両種の違いを明らかにした。その結果、クロサイの卵胞期には糞中の20α-ヒドロキシプロジェステロン、エストラジオール-17β、エストロンおよびAdが同定でき、さらに、インドサイでは5α系と5β系のプレグナンがともに妊娠期に含まれたが、クロサイでは5α系プレグナンが糞中に排泄されていたことが判明した。アムールトラの自然排卵後の黄体期は39.5±2.60日間で、妊娠期間は106±1.5日間であり、少なくとも1~5月、10~12月で妊娠が可能であると考えられた。またこの種の黄体期及び妊娠期の糞中には、主にP4、4種のプレグナンおよび5α-ジヒドロプロジェステロンが同定され、また卵胞期にはエストラジオール-17βとエストロンが主に排泄されていることが判明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Monitoring three pregnancies of an Indian elephant (Elephas maximus indicus) by a rapid enzyme immunoassay of progestins in plasma without extraction2009

    • 著者名/発表者名
      Ohta Y.
    • 雑誌名

      Jpn J Zoo Wildl Med. 14巻

      ページ: 97-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 名古屋市東山動物園のキンシコウ(Rhinopithecus roxellana)新生仔における行動発達2009

    • 著者名/発表者名
      横山卓志
    • 雑誌名

      Special Publication of Nagoya Society of Mammalogists 11巻

      ページ: 39-50

  • [学会発表] 名古屋市東山動物園のキンシコウ(Rhinopithecus roxellana)新生仔における行動発達2009

    • 著者名/発表者名
      横山卓志
    • 学会等名
      名古屋哺乳類研究会12月例会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-12-23
  • [学会発表] 糞中の性ステロイドホルモン動態からみたアムールトラの繁殖季節について2009

    • 著者名/発表者名
      松田朋香
    • 学会等名
      第17回希少動物人工繁殖研究会
    • 発表場所
      姫路市姫路キャッスルホテル
    • 年月日
      2009-06-11
  • [備考]

    • URL

      http://www1.gifu-u.ac.jp/^-doi/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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