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2011 年度 実績報告書

東南アジアのホットスポットに生息する希少動物の生息域外保全に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20580306
研究機関岐阜大学

研究代表者

土井 守  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60180212)

研究分担者 楠 比呂志  神戸大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30211882)
キーワード応用動物 / 動物保全 / ホットスポット / 希少動物 / 生息域外保全 / ステロイドホルモン
研究概要

研究の対象とした動物種は、アジアゾウ、サイ、ネコ科動物(ツシマヤマネコ等)などである。昨年度までは、飼育されている動物園での研究実施体制が異なっていたが、本年度は科研費交付最終年度であるため、繁殖モニタリングができなかった種や個体について重点的に調査して研究を実施した。
アジアゾウについては、発情周期が長期間認められなかった個体について飼育環境改善を実施し、個体数は限られてはいたが発情周期が回帰し始めた現象を捉えることができ、さらに日本国内の10頭を対象にして、血中のLH、血中と糞中のプロジェステロン並びに尿中のエストラジオールーグルクロニドの動態を捉え、発情周期、排卵日と外陰部からの粘液漏出との関係、妊娠期と出産日の予測などについて明らかにした。また、インドサイについては、血中と糞中の性ステロイドホルモン代謝物含量の動態を調べ、発情周期や妊娠期における詳細な内分泌学的変化を捉えることができた。さらにネコ科動物では、特にツシマヤマネコの内分泌動態について注力して検討した。すなわち、糞中の性ステロイドホルモンの動態から、本種が交尾排卵動物であり、11月下旬から4月に卵胞活動が盛んになり、ほぼ同じ期間に雄の精巣活動が活発になり交尾していることなどについて明らかにした。さらに、妊娠期と非妊娠期のプロスタグランジンF2α(PGF2α)の動態から出産が近づくにつれて顕著に上昇することや、糞中のコルチゾール含量の動態から個体の施設移動に伴うストレスなどを明らかにできた。また、本年度では特にネコ科動物での配偶子採取と凍結保存について実施したが、人工授精などによる産子をえることができなかった。
今後もこれまでと同様に、東南アジアのみならず世界に存在するホットスポットに生息する希少動物の繁殖生理を把捉して、生息域外での積極的な保全対策を講じなければならないものと考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ツシマヤマネコを含むネコ科動物の繁殖生理に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      楠田哲士, 足立樹, 下川優紀, 吉崎友紀, 土井守
    • 雑誌名

      JVM獣医畜産新報

      巻: 65巻 ページ: 199-203

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Population statistics and biological traits of endangered Kiso horse2011

    • 著者名/発表者名
      Takasu M, Hiramatsu N, Nakagawa T, Tozaki T, Kakoi H, Hasegawa T, Maeda M, Huricha, Kusuda S, Doi O, Murase T, Mukoyama H
    • 雑誌名

      J Equine Sci

      巻: 22 ページ: 67-72

    • DOI

      10.1294/jes.22.67

    • 査読あり
  • [学会発表] ツシマヤマネコを含むネコ科動物の繁殖生理に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      楠田哲士, 足立樹, 下川優紀, 吉崎友紀, 土井守
    • 学会等名
      公開シンポジウム「ツシマヤマネコにおける域外保全の科学」プログラム
    • 発表場所
      日本獣医生命科学大学
    • 年月日
      2011-11-26
  • [学会発表] ゾウの排卵日特定のための犬用LH検出キットの有用性の検討2011

    • 著者名/発表者名
      楠田哲士, 前野あゆみ, 椎名修, 毛利靖, 横島雅一, 乙津和歌, 田島日出男, 土井守, 川上茂久
    • 学会等名
      第19回希少動物人工繁殖研究会議
    • 発表場所
      姫路市(姫路キャッスルホテル)
    • 年月日
      2011-07-06
  • [学会発表] 糞中の性ステロイドホルモン動態からみた雌モウコノウマの繁殖生理について2011

    • 著者名/発表者名
      木仁, 楠田哲士, 齋藤麻里子, 小林由里香, 下川優紀, 土井守
    • 学会等名
      第19回希少動物人工繁殖研究会議
    • 発表場所
      姫路市(姫路キャッスルホテル)
    • 年月日
      2011-07-06
  • [学会発表] 糞中の性ステロイドホルモンを指標とした飼育下ツシマヤマネコ雌雄の繁殖生理モニタリング2011

    • 著者名/発表者名
      吉崎友紀, 足立樹, 永尾英史, 長野理史, 松井桐人, 富岡由香里, 松山薫, 小峠拓也, 秋葉由紀, 前田亮平, 村山友美, 佐藤英雄, 坪田敏男, 土井守, 楠田哲士
    • 学会等名
      第19回希少動物人工繁殖研究会議
    • 発表場所
      姫路市(姫路キャッスルホテル)
    • 年月日
      2011-07-06
  • [備考]

    • URL

      http://www1.gifu-u.ac.jp/~doi/index.htm

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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