研究課題
本研究では、ES細胞の未分化状態の維持におけるABCトランスポーターファミリー・Bcrp1による制御機構に関する分子基盤を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の研究を行った。(1) ES細胞におけるBcrp1アイソフォームの発現解析平成19年度に得たBcrp1のアイソフォーム(A、B、C)の発現プロファイルについて、さらに解析を進めた。ES細胞におけるBcrp1 mRNAアイソフォームの発現をリアルタイムPCRにより解析した結果、アイソフォームAの発現が最も高く、続いてアイソフォームB、アイソフォームCについてはほとんど発現がみられなかった。(2) ES細胞の分化過程におけるBcrp1過剰発現の影響Bcrp1過剰発現ES細胞を作製し、体外分化誘導過程における分化関連遺伝子の発現の変動を解析した。その結果、Oct3/4, Nanogなどの未分化維持に関わる因子の発現が減衰せずに持続した。また、いくつかの分化関連因子の発現が遅延し、特に中胚葉、内胚葉系の分化マーカー遺伝子の発現が大きく遅れるとともに、発現が著しく低下する傾向がみられた。(3) ES細胞におけるBcrp1 mRNAアイソフォームAの発現制御領域の解析Bcrp1 mRNAアイソフォームAの上流約1.5kbを用いてルシフェラーゼ活性によるレポーターアッセイを行った。その結果、アイソフォームAの上流約1.5kbの転写活性は、胎仔繊維芽細胞に比べES細胞で著しく高いことを明らかにし、さらに1kb以内に発現を大きく促進・抑制する領域を数カ所見出した。
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