研究課題/領域番号 |
20580345
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
纐纈 雄三 明治大学, 農学部, 教授 (70328970)
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キーワード | 獣医疫学 / 行動学 / 繁殖生産性 / 動物福祉 / 群健康管理 |
研究概要 |
具体的内容:国内養豚生産農場における繁殖雌豚の蹄の外傷の詳細の実態、さらに淘汰、生存と長期生存性、そのリスク因子やマネジメントを明らかにする。国内や国外からの協力農場から生産データを収集し分析した。 意義と重要性:リスク因子やマネジメントが明らかにすることで、農場の生産性の向上と、動物福祉改善に寄与できた。 ●約1%の母豚の蹄に大きな外傷があることが分かった。現在は改善されている。 ●産次があがるほど外傷はふえた。しかし繁殖成績には問題はなかった。 ●外傷の多い豚と少ないと豚間の比較で、生存確率に差はなかった。日本の農場における蹄の外傷問題はそれほど大きくない。 ●妊娠豚はスノコ床で飼育されていて、間隙方向が横スノコ床より縦スノコの床で飼育されている雌豚に蹄の外傷が少なかったことから、縦スノコ床が勧められる。 ●国内養豚場では安楽死を実施する農場が少ないことを指摘した。 ●農場で四肢がよくないとみられる母豚も、生存率は、正常とみられたものと変化していなかった。 ●母豚の犬座姿勢は、生涯成績とは全く関係なかった。 ●唾液コルチゾールは、常同行動をよくする豚とそうでない豚間で差はなかった。 以上の結果は、日本の生産者への技術指導に有用である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予想以上に研究成果、論文が出ている
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今後の研究の推進方策 |
多くの農場を訪問しデータを集め、データベースの大型化をめざす。学会で発表し、論文をできる限り多く投稿する。今後は、「生産性向上と動物福祉改善」のための農場マネジメントの研究も推進したい。
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