研究概要 |
1.脱窒ホットスポットの特定 高い硝酸態窒素除去能を有する脱窒ホットスポットを特定するために,愛知県西尾市の茶園-水田地形連鎖系に設置した調査用井戸から地下水サンプルを採取した.採取地下水サンプルの硝酸態窒素や亜酸化窒素等の濃度分布および同位体分析の結果,茶園と水田の境界地点,深さ200cmの地下水サンプルにおいて硝酸態窒素の窒素および酸素安定同位体の値が上昇しており,その地点において脱窒反応が起こっていることが示唆された.この結果をもとに、該当地点にて地表面から約300cmの深さまでボーリング調査を行い、採取した土壌試料の脱窒活性を測定し,深さ160~220cmの深度で高い脱窒活性が見いだされた. 2.脱窒反応に関連する微生物群集構造の同定 上記ボーリング調査によって得られた土壌試料より微生物群集のプロファイリングを行うためにDNAの抽出を試みたが,深層土壌についてはDNA量が極めて少なかったため,再度土壌サンプルを採取し,DNAの抽出を行った結果,PCR-DGGE解析に必要なDNA量を抽出することができた.抽出したDNAについて16S rDNAのPCR-DGGE解析を行った結果,土壌各層においてそれぞれ異なる細菌群集プロファイルが得られた.
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