研究概要 |
愛知県西尾市の茶園-水田地形連鎖系に設置した調査用井戸の深さ160~220cmの深度において見いだされた高い硝酸態窒素除去能を有する脱窒ホットスポットについて,深さ325cm深度まで,それぞれホットスポットおよび上流,下流に位置する脱窒活性が高い土壌,脱窒活性が低い土壌,潜在的脱窒能が高いにもかかわらず硝酸態窒素等の基質濃度が低いために脱窒活性が低いと思われる土壌を掘削により採取した.採取した土壌について硝酸態窒素に富んだ現場地下水を添加し,培養容器に封入した後,気相および液相を窒素で置換し,嫌気的に培養を行ったその結果,表層土壌を除いて,いずれの深さの土壌においても顕著な硝酸態窒素の低下は見られなかった.そこで炭素源としてセルロースを添加し,再度培養を行ったところ,95~105cm,240~255cm深度の土壌において,2週間程度で硝酸態窒素の低下が見られた. また,脱窒ホットスポットにおける帯水層土壌を採取して環境DNAを抽出した,一般細菌をターゲットとしたPCR-DGGE解析を行い,特異的な地下微生物群集プロファイルを作成した. また,これらの地下水からDNAを抽出し,nosZ遺伝子特異的プライマーによるreal time LAMP反応を行った.その結果,濁度上昇と実際の脱窒活性の間に相関は認められなかった.また,地下水を24時間及び48時間培養し,その試料液からDNAを抽出してreal time LAMP反応を行ったが,濁度上昇と実際の脱窒活性の間に相関は認められなかった.
|