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2009 年度 実績報告書

酸化ストレスによる細胞膜糖脂質修飾を介した癌細胞増殖・浸潤制御の機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 20580369
研究機関東京農工大学

研究代表者

三浦 豊  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (10219595)

キーワード癌細胞浸潤 / 細胞膜 / 酸化ストレス / ガングリオシド / 細胞膜糖脂質
研究概要

昨年度に引き続き、酸化ストレス条件下、特に低酸素培養条件下での細胞膜糖脂質の変化について検討を行った。計画に従い培養細胞の代わりに固型癌を出発材料として修飾糖脂質の分離を行ったが、通常のガングリオシドGM3と移動度の異なるバンドが検出されたものの、量的に少なく精製することはできなかった。この点は次年度に継続して検討する予定である。そこで、糖脂質の質的変化でなく量的な変化に着目し、培養細胞を用いた検討を行ったところ、低酸素条件下で3日間培養したマウスメラノーマ細胞B16F10において、通常酸素条件下で培養した細胞に比べ、細胞膜上のGM3含量が大きく増加することを見出した。またその際、癌細胞の増殖能の低下、浸潤能の亢進が認められた。浸潤能の亢進には接着能の低下と運動の亢進が関与していることも明らかにした。このような癌細胞の性質変化へのGM3の関与を詳細に解析するため、GM3が細胞膜上で形成しているマイクロドメイン構造に関して検討を進めた。GM3と直接結合することが知られているテトラスパニンCD9の含量には低酸素培養によっても大きな変動は見られなかった。一方マイクロドメイン中に存在することが予想されるインテグリンα5β1およびその裏打ちタンパク質であるFAKの局在は低酸素培養条件下で大きく変化しており、低酸素培養後にはより大きな複合体を形成していることが明らかとなった。この複合体形成能の変化が低酸素培養時に観察された運動能、浸潤能の亢進に深く関与しているものと推測している。さらにGM3抗体を用いた免疫共沈降法と質量分析法を組み合わせることで、GM3含有マイクロドメインに含まれる新たなタンパク質候補を見出すことにも成功した。次年度にはマイクロドメイン構成タンパク質のプロテオミクス解析を実施する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Hypoglycemic effect of aspalathin, a rooibos tea component from Aspalathus linearis, in type 2 diabetic model db/db mice2009

    • 著者名/発表者名
      Kawano A.
    • 雑誌名

      Phytomedicine 16

      ページ: 437-443

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Parvulin (Par14), a peptidyl prolyl cis-trans isomerase, is a novel rRNA-processing factor evolved in the metazoan lineage2009

    • 著者名/発表者名
      Fujiyama-Nakamura S.
    • 雑誌名

      Mol.Cell.Proteomics 8

      ページ: 1552-1565

    • 査読あり
  • [学会発表] O-linked N-acetylglucosamine modification plays the important roles in tumor phenotypes under hypoxia2010

    • 著者名/発表者名
      Miura Y.
    • 学会等名
      International Congress of Nutrition 19th
    • 発表場所
      バンコク、タイ
    • 年月日
      2010-10-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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