近年、興味深い反応性や生物活性からセレン元素を含んだ化合物群の応用開発が盛んになされている。 本研究では、系統的含セレンβ-ラクタム系化合物の効率的な調製のためにセレノカリウム塩に2-bromoethyl-trimethylsilaneを反応させ、新規セレン導入試薬を開発した。アルケンおよびアルキンにグラブス第2世代試薬を反応させることにより効率的に新規の含セレンβ-ラクタムを調製した。また、アルキンおよびアレンセレノ尿素から位置選択的ヨード環化反応によって調製した。今回調製した7員環、8員環化合物はこれまでほとんど報告例のない含セレン大環状化合物である。
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