研究概要 |
本年度は長崎近郊に産するきのこ類のイグチ科キビダタケ(Phylloporus bellus),フウセンタケ科シラゲアセタケ(Inocybe maculata),テングタケ科タマゴテングタケモドキ(Amanita longistriata)および希少菌類といえるコウボウフデタケ科コウボウフデ(Pseudotul ostma japonicum)の胞子をもとに菌糸を25LX25個の培養ボトルを用いて培養し、それぞれ200g弱の菌糸体を得ることが出来た。これをメタノールで抽出してメタノールエキスを作成し、分離を行った。ただし、タマゴテングタケモドキの場合のみ培地を酢酸エチルで抽出し、培地の酢酸エチル抽出エキスを得た。 これらエキスをシリカゲルで詳細な分析を行ったところ、キノコの一般的成分であるエルゴステロールやエルゴステロールのパーオキシ体、グルコース、トレハロースおよび脂肪酸のみが検出され、抗ウイルス活性が期待出来る化合物は分離できなかった。したがって、この時点で報告を作成することはできなかった。 現在、タマゴテングタケモドキに関して培地成分の探索をしており、興味ある物質を高速液体クロマトグラムにより分取して構造を検討中である。 その他、テングタケ属のカバイロツルタケ、ヒメコガネツルタケ等の培養を試み、アンチウイルス活性物質を得る予定である。
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