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2010 年度 実績報告書

生物活性天然配糖体の糖鎖を基盤とした新薬創成に有用なケミカルライブラリーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590008
研究機関熊本大学

研究代表者

池田 剛  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (80295138)

キーワード糖鎖 / クリックケミストリー / トランスグリコシレーション / ケミカルライブラリー / ガン細胞増殖抑制活性 / AZT
研究概要

配糖体の構成オリゴ糖鎖と生物活性に相関があることが判明し、糖鎖とアグリコン部が相補的に作用して活性発現することが示唆されたことから、活性糖鎖構造を他のアグリコンにトランスグリコシル化し、糖鎖とアグリコンの相互作用を検証することを計画した。
平成22年度は、トマト地上部に高含有するトマチンを原料として、ガン細胞増殖抑制活性に関与が示唆されているリコテトラオースをトマチナーゼで切り出し、ホイスゲン反応を応用したアセチレン基とアジド基の環化反応により、配糖化のステップを簡略化できないか検討した。まず、リコテトラオースへのアセチレン基の導入を、トマチナーゼの可逆反応性を利用した酵素反応と有機合成で行う方法と2種類検討した。前者では、トマチナーゼでトマチンを処理する際にプロパルギルアルコールを添加することで、8%と低収率ながらも目的とするリコテトラオース誘導体を天然型のβ結合体として得ることができた。後者では、リコテトラオースの水酸基のアセチル保護、続いて還元末端のガラクトース部分のアノマー位を脱保護し、トリクロロアセトイミデート体に変換、プロパルギルアルコールとグリコシル化し、非天然のα結合体が選択的に5工程41%の収率で得られた。これらのリコテトラオース誘導体に対して、アジド基を有している抗エイズ薬で細胞毒性もあるAZT並びにコレステロールとジオスゲニンの3位アジド誘導体とホイスゲン反応を行い、それぞれトリアゾール環を介してアグリコン部を導入した。本反応において、Cu(I)の活性化剤をAZTとの反応で検討したところ、TBTAを用いると大幅な収率の上昇が見られた。ホイスゲン反応を応用したクリックケミストリーによるリコテトラオース誘導体の合成は簡便で応用範囲の広い方法である。今後、得られたトリアゾール環を介して結合させたリコテトラオース誘導体のガン細胞増殖抑制活性生物活性試験を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Three new aromatic glycosides from the ripe fruit of cherry tomato.2010

    • 著者名/発表者名
      Ono Masateru
    • 雑誌名

      J.Nat.Med.

      巻: 64 ページ: 500-505

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Onionin A from Allium cepa Inhibits Macrophage Activation.2010

    • 著者名/発表者名
      El-Aasr Mona
    • 雑誌名

      J.Nat.Prod.

      巻: 73 ページ: 1306-1308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Study of constituents of Veronicastrum villosulum.2010

    • 著者名/発表者名
      Nohara Toshihiro
    • 雑誌名

      J.Nat.Med.

      巻: 64 ページ: 510-513

    • 査読あり
  • [学会発表] トマト萎凋病菌の産生するトマチナーゼを用いたリコテトラオース誘導体の合成2010

    • 著者名/発表者名
      池田剛
    • 学会等名
      第27回日本薬学会九州支部大会
    • 発表場所
      長崎大学薬学部
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] キラヤサポニン糖鎖の切り出しに関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      池田剛
    • 学会等名
      日本生薬学会第57回年会
    • 発表場所
      徳島文理大学薬学部
    • 年月日
      2010-09-26

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公開日: 2012-07-19  

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