国内外各地の土壌から新たに分離された菌株約100種について培養を行ない、病原真菌4種を用いた抗真菌活性試験およびその他の活性試験等を実施し、今後検討する価値のあるものとして約30菌株を選び出し、前年度に大量培養により準備したエキスについてそれらの成分検索を実施することとした。 平成21年度に成分検索の対象とする価値のあるものとして準備した10菌株について、HPLC等を駆使して成分の分離・精製を行い、単離化合物についてNMRをはじめとする各種測定データを用いて構造解明を行ない、以下の結果を得た。 Aspergillus novofumigatusからは前年度以前に得られた新規化合物とともに新たに新規新規meroterpenoid誘導体及び新規環状tetrapeptide誘導体を、また、Neosartorya sp.A159株からは新規diketopiperazine誘導体、新規diterpenne誘導体とともに新規meroterpenoid誘導体及びbenzodiazepine誘導体をを単離・構造決定した。さらに、Emericella sp.IFM57991株から新規isobenzofuran及びisobenzofuranone誘導体とともに新規farnesylisobenzofurane誘導体を単離した。抗真菌活性については目立って強いのもがみいだせなかった。科研費は修了するが、今後も継続してその他の生物活性についても検討していくつもりである。
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