研究概要 |
MW照射下の電子環状反応を活用して、抗腫瘍性bennzophenthridine類の新規合成法の開発という研究課題における平成20年度の研究成果は、以下の通りである。 本研究の原料として、β-テトラロンの新規合成法の開発を実施し、全く新しい合成法の開発に成功した。さらに、β-テトラロンからトリフレートを経由し2工程を経て、ボロン酸ピナコールエステルへと誘導することができた。別途に合成した、2-ハロベンズアルデヒド類との鈴木-宮浦反応によって4環性のA,C,D環の合成を収率よく達成することができた。そこで、ホルミル基をオキシムエーテルへ変換し、得られたaza-6p電子系を電子環状反応に付すことで、C4b-N5間での結合形成によるB環(ピリジン環)の構築を試みたところ、dihydronornitidine、dihydronoroavicineおよびdihydroisodecarineが得られることが分かり、酸化的脱水素を行ってnoronitidine、noroavicineおよびisodecarineの新規合成に成功した。Microwave照射下での6π電子系電子環状反応も試み、通常の場合との比較において研究を進めた。これまでの結果からは、microwave照射下での反応が有為であった。
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