研究概要 |
新たな標的化合物とした9,10-位に酸素官能基を有するzanthoxyline及びnorbroussonpapyrineの全合成をこれまでに開発した合成経路で達成できた。また、zanthoxylineをO-メチル化したO-methylzanthoxylneとnorbroussonpapyrineの構造は一致したが、天然物として報告されているzanthoxylineのNMRデータは、合成品と一致しなかった。Xanthoxylineは、近年合成され、decarineであることが報告されており、その合成zanthoxylineとNMRデータが完全に一致した。さらに、norbroussonpapyrineから2工程で誘導したbroussonpapyrineは、天然物として報告されているbroussonpapyrineのNMRデータと一致しないことが判明した。合成したbroussonpapyrineはX-結晶構造解析により正しい構造であることを確認した。その後、種々の合成したalkaloid群のNMRデータと比較検討した結果、chelerythrineと一致することが分かった。さらに、標品とも一致したことにより、報告されたbroussonpapyrineの構造はchelerythrineであることを明らかにできた。研究成果は公表した。
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