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2008 年度 実績報告書

抗痴呆薬の開発を目指したネオビブサニン類及びネオビブサニン関連化合物の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 20590028
研究機関徳島文理大学

研究代表者

今川 洋  徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (80279116)

キーワードネオビスサニンA / PC12細胞 / 突起伸展促進活性 / 抗認知症薬 / Diels-Alder反応
研究概要

平成20年度は、天然型ネオビブサニンAの全合成の達成を第一目標とした。その結果、新たに開発した、DMIによって加速されるDiels-Alder反応を用いて、重要中間体であるシクロヘキセノン誘導体を立体選択的に合成することに成功した。さらに数段階の変換の後、アセチリドのケトンへの付加反応を行った。ケトン近傍のアルコールの保護基として、配位効果のある2-メトキシベンジルエーテルを用いたところ、望むアキシャル攻撃による付加生成物のみを、選択的に合成することができた。その後、アルキンを還元した後、TBS基を脱保護すると、Oxy-Michael付加反応とラクトン化反応が一挙に進行し、鍵中間体となる三環性ラクトンを合成することができた。保護基の変換後、ラクトンをTebbe試薬によってエキソメチレンとした後、メタノールと酸で処理して、メチルアセタールとした。最後に、脱保護して生じたアルコールを、アルデヒドに酸化、KHMDSによってエノラートイオンに変換、3-methylbut-2-enoyl chlorideで捕捉し、初の(±)-ネオビブサニンAの全合成を達成した。合成した(±)-ネオビブサニンAのスペクトルは、天然物のデータと完全に一致した。またエナンチオマーの活性を確かめるために、光学活性カラムを用いた光学分割を行った。得られた(-)-ネオビブサニンAの活性を評価したところ、細胞培養初期は突起伸展促進活性が確認できるものの、徐々に細胞毒性が表れる事が明らかになった。また本研究課題の最終目標である、突起伸展促進活性の作用機序解明のためのツールとして、蛍光標識された活性化合物の合成を行った。その結果、側鎖に蛍光置換基を導入する事により、活性を保持した蛍光標識体の合成に成功した。これをPC12細胞に作用させたところ、活性化化合物は素早く、細胞内に何らか顆粒の状態となって進入することが分かった。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Total Synthesis of (±)-Neovibsanin B2009

    • 著者名/発表者名
      Imagawa, H.
    • 雑誌名

      Ore. Lett. 11

      ページ: 1253-1255

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Silaphenylmercuric Triflate-Catalyzed Reactions : The First Solid Supported Mercuric Salt Catalyst.2009

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, H.
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 48

      ページ: 1244-1247

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficient Glycosylation Using ODS Adsorption Method Based on the Affinity of Long Alkoxybenzyl Glycoside.2008

    • 著者名/発表者名
      Imagawa, H.
    • 雑誌名

      Synlett 13

      ページ: 1981-1984

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hg(OTf)_2-Catalyzed Cyclization of N-Tosylanilinoallylic Alcohols leading to 2-Vinylindolines2008

    • 著者名/発表者名
      Namba, K.
    • 雑誌名

      Synlett 11

      ページ: 1719-1723

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hg (OTf)_2-Catalyzed Arylene Cyclization2008

    • 著者名/発表者名
      Namba, K.
    • 雑誌名

      Org. Lett. 10

      ページ: 1767-1770

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The relationship between the metabolism of sphingomyelin species and hemolysis of sheep erythrocytes indced by Clostridium perfringens alpha-toxin.2008

    • 著者名/発表者名
      Oda, M.
    • 雑誌名

      J. Lipid Res. 49

      ページ: 1039-1047

    • 査読あり
  • [学会発表] ネオビブサニン誘導体の合成とその突起伸展促進活性2009

    • 著者名/発表者名
      今川 洋
    • 学会等名
      日本薬学会第129回年会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      20090326-20090328
  • [学会発表] ネオビブサニンBの全合成と突起伸展促進活性2008

    • 著者名/発表者名
      今川 洋
    • 学会等名
      第二回創薬懇話会
    • 発表場所
      徳島グランドパレス
    • 年月日
      20081211-20081212
  • [学会発表] Neovibsanin類の合成研究2008

    • 著者名/発表者名
      今川 洋
    • 学会等名
      第52回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会
    • 発表場所
      群馬・東洋大学板倉キャンパス
    • 年月日
      20081025-20081026
  • [学会発表] ネオビブサニン類の合成研究2008

    • 著者名/発表者名
      今川洋,西條速人,栗崎貴啓,山本博文,久保美和,緒方美津子,高橋宏暢,福山愛保,西沢麦夫
    • 学会等名
      第50回天然有機化合物討論会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20080930-20081002
  • [学会発表] Neovibsanin A及びBの合成研究2008

    • 著者名/発表者名
      今川洋,西條速人,栗崎貴啓,山本博文,久保美和,緒方美津子,高橋宏暢,福山愛保,西沢麦夫
    • 学会等名
      第24回有機合成化学協会中四国支部若手化学者のための化学道場
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      20080911-20080912
  • [学会発表] ネオビブサニンの全合成と神経突起伸展作用物質の開発2008

    • 著者名/発表者名
      今川 洋
    • 学会等名
      文科戦 戦略的研究基盤形成支援事業『有機合成と天然物化学の手法による医薬品素材 の開発』第1回研究発表会
    • 発表場所
      徳島・徳島文理大学
    • 年月日
      2008-12-22
  • [学会発表] ネオビブサニンの全合成と神経突起伸展作用物質の開発2008

    • 著者名/発表者名
      今川 洋
    • 学会等名
      第14回創薬を目指した生理活性物質研究会・第43回未来開拓研究会合同シンポジウム
    • 発表場所
      東京・星薬大
    • 年月日
      2008-12-13

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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