コンドロイチン硫酸のBreak-down型、Build-up型オリゴ糖ライブラリーの構築を実施した。また、表面プラズモン共鳴測定装置(BIACORE2000、現有)を用いて、標的タンパク質(E-セレクチン、L-セレクチン、血液凝固系タンパク、サイトカイン受容体など)との相互作用をコンドロイチン硫酸オリゴ糖ライブラリーに対してスクリーニングした。 1.コラーゲン誘導肢踵浮腫に及ぼす経口投与コンドロイチン硫酸の影響 Balb/cマウスに対し、II型コラーゲン上の関節炎惹起エピトープを認識する4種の抗体を尾静脈より投与し、その3日後にLPSを腹腔投与して補体を活性化させて関節炎を惹起させた。L-セレクチンに対して高い親和性を示したコンドロイチン硫酸オリゴ糖を、抗体投与1週間前から、400mg/kgの濃度で1日1回経口投与した。試験期間中、肢踵浮腫容積測定装置(Dial Thickness Gauge)で肢踵の浮腫を測定し、四肢肥厚の合計を疾患重篤度とし、各群の平均により比較を行った。また、同期間中に四肢に発症した関節炎の重篤度を観察し、Trenthamらによる関節炎の形態学的評価に順じてスコアを付け、四肢の合計を疾患重篤度とし、各群の平均により比較を行った。 2.抗アレルギー活性の検討 申請者らの予備的な検討の結果、コンドロイチン硫酸を400mg/kgで1日1回経口投与したマウスにおいて、抗原特異的IgE及びIgG_1抗体価に抑制傾向が認められた。そこで、この評価系を用いて、効果の高いコンドロイチン硫酸オリゴ糖のスクリーニングを実施した。 一方、血液中に遊離されたヒスタミンは気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの疾患が引き起こされることが知られている。そこで、一次スクリーニングで活性あるいは親和性の高いコンドロイチン硫酸オリゴ糖鎖に対して、経口投与により血清中抗原特異的抗体価を調査し、さらにアナフィラキシー反応を惹起させ、肥満細胞から血清中に遊離されたヒスタミン量を定量する系を用いて評価した。
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