呼吸器感染症治療システムの構築のため、(1)マクロライド抗菌薬の体内、肺内動態(2)表面修飾リポソーム化ニーキノロン抗菌薬の肺内動態の研究を行った。(1)マクロライド抗菌薬は、血中に比べて肺粘液層(ELF)に高い濃度で分布し、さらにELF に比べ肺胞マクロファージ(AM)に高い濃度で分布した。この抗菌薬は、肺上皮細胞の輸送系を介して血液からELFへ能動輸送され後にAMに取り込まれ、細胞成分と結合し高濃度の分布を示すことが明らかとなった。(2)肺内に投与されたマンノース修飾リポソーム化抗菌薬はAM に選択的に取り込まれ、PEG修飾リポソーム化抗菌薬はAMへの移行を回避することが明らかとなった。
|