研究課題
本研究は、臨床での早期実用化を可能とするために、高いバイオアベイラビリティ(BA)を備えた、バイオ医薬のための非侵襲的デリバリーシステムを創製することを目指している。今年度は特に、CPPの作用機構解明と経鼻ワクチンデリバリーへの展開に重点をおき詳細な検討をした。(1)Hela細胞およびCaco-2細胞を用いて、機能性ペプチド自身の透過メカニズムおよびペプチド薬物の吸収促進メカニズムを詳細に検討した。ペネトラチン存在下、Hela細胞は200nmの逆ミセル型高分子ナノ粒子を温度依存的に取り込み促進することが明らかとなった。また、Caco-2細胞を用いた透過および取り込み挙動の検討においては、CPPsによるインスリン透過性促進作用は、非飽和性・エネルギー非介在性の細胞内取込み経路を介して生じる可能性が示唆された。(2)OVAおよびインフルエンザA型抗原において、L-penetratin併用下と比較し、D-penetratin併用下では、lgGならびにlgA抗体価の顕著な上昇が認められた。penetratinを利用することで、ワクチン抗原およびナノ粒子を用いた新規経鼻粘膜ワクチンデリバリーシステムの開発の可能性が示唆された。
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J.Control.Release
巻: 146 ページ: 16-22
Int.J.Pharm.
巻: 388 ページ: 209-212
巻: 143 ページ: 302-310