研究課題/領域番号 |
20590046
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
小山 淳子 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (60102109)
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研究分担者 |
小林 典裕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (90205477)
森田 いずみ 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20299085)
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キーワード | 酸化還元電位 / フラボノイド / リグナン / 抗アレルギー活性 / LC-MS / KU812細胞 / サイクリックボルタンメトリー / ケミカルメディエーター |
研究概要 |
数種のキノン化合物についてRaji細胞を用いたEpstein-Barr virus early antigen(EBV-EA)活性化抑制試験を行い、その活性とサイクリックボルタンメトリー法によって測定した還元電位との間に良好な相関関係が有することをこれまでに確認している。この相関の一般性を明らかにすることは、簡単な物理的測定により、in vitroでの活性実験をすることなく、キノン化合物の抗発癌プロモーション効果の有無の予測を可能にすると考えられる。この関係がキノン化合物だけではなく、アルカロイド、フラボノイド、リグナンなど天然由来化合物の生物活性、特にEBV-EA活性化抑制効果、抗菌活性、抗炎症活性ならびに抗アレルギー活性などに成立することが判明すれば、in vitroでの活性実験をすることなく簡単な物理的測定により種々の化合物の生物活性の有無の予測が可能となる。そのための解析用基礎パラメーターの開発と評価を目的とし、種々の化合物の生物活性と酸化還元電位を測定することにした。本年度は、ヒト由来慢性骨髄性白血病細胞株KU812細胞から放出され臨床マーカーとなりうるヒスタミン、プロスタグランジンD_2を選び、それらの放出抑制率を指標とした新しい抗アレルギー評価法を用いて、フラボノイド類、リグナン類の抗アレルギー活性試験を行った。フラボノイド類、リグナン類の酸化還元電位を測定し、その第1酸化電位と抗アレルギー活性との間の相関を検討したところ、相関が認められた。さらに、合成したイオウ、チッソ、酸素原子をもつヘテロキノンの38 Human Cancer Cellへの細胞毒性を測定した。その活性値と還元電位との相関を検討した結果、良い相関が得られた。さらに、LUMOエネルギーやlog Pを重回帰分析に加えることによりさらに良い相関が認められた。我々が行ってきた研究より、ポリフェノール類やイソキノリン類の活性を予測するためのパラメーターとして、酸化還元電位が有用であることが示唆されたと考える。
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