研究概要 |
尿・血漿など生体試料を分析する場合、メタボローム解析技術を投入することができれば、新しいバイオマーカーの発見につなげることができる。そこで、メタボリックシンドロームモデルラットおよび正常ラットの尿および血漿にアセトニトリルを加え、除タンパク後、希釈して分析をおこなった。今回、LC/MS-MSを用いた測定方法およびモノリスカラムを用いた分離方法を検討した。 メソポア径11nmのアミノプロピルシリカモノリスカラム(100mmx2.0mm I.D.)にN,N'-disuccinimidyl carbonate/アセトニトリルおよびc-AGP/リン酸塩緩衝液を各々室温で24時間循環,反応させた.移動相として20mMリン酸塩緩衝液とエタノールの混合液を用い,流速は0.15~1.0mL/minでカラム性能を検討した.固定化されたc-AGPは,モノリスカラム当たり12mgであった.次に,種々の薬物の分離係数,分離度,理論段数および理論段高さを測定した.モノリスカラムは,負荷圧が低く,中性化合物に対して高い分離係数およびカラム性能を与えた.しかし,酸性あるいは塩基性化合物では,必ずしも高い分離係数およびカラム性能が得られなかった.これらの結果は,シリカモノリスと酸性あるいは塩基性化合物との非特異的な相互作用を示唆しており、これらの結果を踏まえ、モノリス型キャピラリーカラムを調製するとともに、メタボローム解析への適用が期待される。
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