研究課題/領域番号 |
20590049
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
前田 浩 崇城大学, 薬学部, 教授 (90004613)
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研究分担者 |
方 軍 崇城大学, 薬学部, 講師 (20412736)
中村 秀明 崇城大学, 薬学部, 助手 (30435151)
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キーワード | XO阻害剤 / 徐放性 / DDS / 降圧剤 / 水可溶化 / NOの寿命 / ナノメディシン / PEG化医薬 |
研究概要 |
我々が見出したキサンチンオキシダーゼ(XO)の新規阻害剤AHPP[4-アミノ-6-ヒドロキシピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン(AHPP)は、これまで知られているアロプリノールに比べ、酵素阻害特性の上から、明らかに優れた薬効を示したが、水に難溶性であったため、そのままでは注射投与が困難で、正確なファマコキネティック上のデータの取得が困難であった。本研究の目的は、その薬理学的な諸問題(例えば溶解度など)をDDSの手法で解決しようとするものである。その溶解度の問題は、シンプルな両親媒性のポリマー結合体、あるいはSMAミセル包合体などの高分子型薬剤を作成することによって解決した。 PEG化AHPPの合成:縮合反応のための活性化エステルの合成は、まず5.0gのPEGと、3.0gのp-ニトロフェニール・クロロフォーメイトを50mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、さらにトリエチルアミンを0.29g添加し、24〜30時間室温で攪拌下に反応させる。次に、トリエチルアミンの塩酸塩が析出、これをろ過して除去。この濾液に対し、300mLのエチルエーテルを加え、沈殿物を生じさせ、分取し洗浄、この沈殿物を約50mLのTHFにとかし、このTHF溶液にエチルエーテルを加え、両溶媒の混液より活性化PEG-p-ニトロ-クロロフォーメイト化物の析出標品を得た。この活性化PEG1.0gを、20mLのTHFにとかし、これにAHPPの0.1M NaOH溶液(0.5g/25mL 0.1M NaOH)を加えて反応させ、THF可溶化物を得た。これがPEG化AHPPである。このPEG-AHPPは先天性高血圧ラット(SHR)において降圧効果を示した。非観血的にラット血圧測定装置により、in vivo降血圧効果を示した。PEG-AHPPまたはSMA-AHPPを経静脈、または経口投与し、SHRラットの血圧降下を3日間にわたり確認した。 以上の結果はPEG-AHPPが新しいXO阻害剤による第5の降圧剤になる可能性を示唆した。
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