我々は既にAHPPがXOの強力な阻害剤を見出しているが、水難溶性であること、低分子であるために体外排泄が急速で、EPR効果を示さないことが医薬品化のバリヤーであった。そこで本研究ではこれらの問題を解決するため、AHPPのPEG(ポリエチレングリコール)共有結合体(PEG-AHPP)あるいはスチレンマレイン酸コポリマー(SMA)を用いたSMAの非共有結合抱合ミセル体(SMA-AHPP)を作成した。その結果(1)In vitroでのXO阻害活性はfreeのAHPPに比べ、PEG-AHPPおよびSMA-AHPPは80%程度であった。(2)In vivoのXO阻害活性はラット肝の虚血再環流(I/R)モデルを用いて行ったところ、薬物非投与群に比べ、充分な細胞傷害作用の抑制をみた。(3)また、本態性高血圧ラット(SHR)を用いた試験では静脈内および経口投与の何れにおいても、平均正常血圧への降下作用を示した。(4)経口投与の場合でも、1回の投与でもその作用は24時間以上持続した。
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