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2008 年度 実績報告書

オーダーメイド癌治療を目的としたエピトープペプチドワクチンの作製と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 20590063
研究機関静岡県立大学

研究代表者

伊藤 邦彦  静岡県立大学, 薬学部, 教授 (90221770)

研究分担者 林 秀樹  静岡県立大学, 薬学部, 講師 (00419665)
キーワードオーダーメイド医療 / 癌治療 / エピトープワクチン / 抗体医薬 / ファージディスプレイ
研究概要

本研究は、抗体医薬の投与による癌治療という、いわゆる受動免疫による治療展開ではなく、能動免疫という観点に立ち、さらには患者個人に最適化した癌免疫療法の確立を目的とする。今年度は、MALTリンパ腫患者の骨髄細胞から単離したリコンビナントFab(AHSArFab)を解析対象とし、本rFabが認識する細胞表面抗原の同定を目的として、ファージディスプレイランダムペプチドライブラリー(PhD-7)を用いたエピトープ解析を行った。PhD-7をAHSArFabに対して4ラウンドのパニングを行った結果、AHSArFab結合ファージタイターは850倍に上昇した。ELISAにてAHSArFab陽性であったクローン27個(30個中)のランダムペプチド部分のシークエンス解析を行なった結果、LSYLEPW(21個)、LSYLEPP(3個)、LSYLEPT(1個)、LSYIEPI(1個)、VSYLEPP(1個)という配列がカッコ内の頻度で得られた。Protein-BLASTによる相同性解析の結果、LSYLEP配列がsphingomyelin phosphodiesterase4(SMPD4)のA_182-A_187とほぼ一致したことから、SMPD4がAHSArFabの認識抗原である可能性が示唆された。最も出現頻度の高かったLSYLEPW配列に基づきリンカー(GGGC)を付加したペプチドを合成しKLHとの複合体を作製した。LSYLEPW-KLHで過免疫したBALB/cマウスより血清および脾臓を採取した。抗血清は、用量依存的にLSYLEPW-KLHに対して反応性を示したが、HeLaS3細胞に対する反応性は弱いものであった。今後は、過免疫マウス脾細胞より抗体遺伝子ライブラリーを構築しHeLaS3反応性クローンを単離する。本クローンおよびAHSArFabを用いた免疫沈降法やサンドイッチELISA法により抗原分子を決定する。また、効率よく液性免疫を誘導できるミモトープペプチド免疫法について検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Antibody epitope peptides as potential inducers of IgG antibodies against CD98 oncoprotein.2009

    • 著者名/発表者名
      Kunihiko Itoh
    • 雑誌名

      Cancer Science 100

      ページ: 126-131

    • 査読あり
  • [学会発表] MALTリンパ腫患者から単離したヒト型リコンビナントFabの認識する抗原の解析 : ファージディスプレイランダムペプチドライブラリ-を用いた検討2009

    • 著者名/発表者名
      江上蓉子, 伊藤邦彦, 他
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] 抗体エピトープペプチドよる抗腫瘍免疫誘導 : ミモトープペプチドを用いた検討2009

    • 著者名/発表者名
      齋藤美沙, 伊藤邦彦, 他
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2009-03-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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