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2009 年度 実績報告書

ヒストン関連因子の機能的相互作用の解析および細胞がん化における意義

研究課題

研究課題/領域番号 20590065
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

長田 茂宏  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (40263305)

キーワードエピジェネティクス / ヒストン / クロマチン / アセチル化 / メチル化 / 細胞がん化 / 発がん / 腫瘍マーカー
研究概要

これまでの解析により、がん遺伝子やがん抑制遺伝子などに変異が生じることによる、ジェネティクス異常により細胞がん化が生じることが明らかにされている。そして、DNA配列変化を伴わずに子孫や娘細胞に伝達される遺伝子機能の変化、いわゆるエピジェネティクス制御の異常による細胞がん化機構の解明が必要とされている。
当該年度において、化学発がん過程において発現上昇するエピジェネティクス制御に関与するクロマチン関連因子の機能解析を行った。そして、ヒストンアセチル化酵素およびクロマチン形成に関わるヒストンシャペロンががん遺伝子c-Mycと相互作用し、c-Myc依存的なプロモーター活性を上昇させることを明らかにした。さらに、c-Mycとrasによる足場非依存的細胞増殖活性も促進することを見出した。しかし、ヒストンアセチル化酵素はヒストンシャペロンとc-Mycの相互作用を阻害することから、ヒストンアセチル化酵素とヒストンシャペロンは協調的に足場非依存的細胞増殖活性を促進することがないことが示された。
また、化学発がん過程において発現上昇する腫瘍マーカーの発現制御機構を解析した結果、ヒストンアセチル化酵素とヒストンメチル化酵素が協調的に腫瘍マーカー遺伝子のプロモーター活性を上昇させることが明らかとなった。さらに、本ヒストンメチル化酵素の過剰発現は正常細胞の性質をもつ線維芽細胞の細胞増殖に影響を与えなかったが、肝がん由来細胞の増殖を促進させた。また、発現抑制は細胞増殖を阻害することが示された。
これらの解析から、エピジェネティクス制御因子を介した細胞がん化機構の一端が明らかとなり、発がん制御に関わる分子の基盤情報が得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 化学発がん過程において発現上昇するクロマチン関連因子の解析2010

    • 著者名/発表者名
      長田茂宏
    • 学会等名
      第130年会 日本薬学会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] Enhancement of anchorage-independent growth by histone deacetylase 92009

    • 著者名/発表者名
      長田茂宏
    • 学会等名
      21th IUBMB International Congress of Biochemistry and Molecular Biology and 12th FAOBMB Congress
    • 発表場所
      Shanghai, China
    • 年月日
      20090805-20090806
  • [学会発表] ヒストンメチル化酵素CARM1が腫瘍マーカーのプロモーター活性に与える影響の解析2009

    • 著者名/発表者名
      吉見千明
    • 学会等名
      第32回 日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-11
  • [学会発表] 肝化学発がん過程において発現上昇するヒストン修飾因子の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      長田茂宏
    • 学会等名
      第82回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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