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2008 年度 実績報告書

スフィンゴミエリナーゼの触媒機構の分子論

研究課題

研究課題/領域番号 20590075
研究機関大阪薬科大学

研究代表者

藤井 忍  大阪薬科大学, 薬学部, 講師 (80218966)

キーワードスフィンゴミエリナーゼ / 触媒機構 / 基質認識
研究概要

一般にリン脂質加水分解酵素は基質であるリン脂質が界面を形成すると酵素活性が劇的に上昇するが、スフィンゴミエリナーゼ(SMase)に関しては明らかにされていない。そこで、アシル鎖の異なるリゾレシチン(Lyso-PC)とアシル鎖の短いスフィンゴミエリン(SM)のチオリン酸アナログ(thio-SM)を基質に用い、臨界ミセル濃度(cmc)前後の濃度範囲でB.cereus菌由来SMaseの酵素活性を測定した。その結果、cmcよりもかなり低い濃度から酵素活性が上昇し、cmc付近の酵素活性は、高い値のまま変化しなかった。また、Lyso-PCの凝集は、SMaseが存在するとcmc以下の濃度で起こることや、SMaseとPCとの結合を表面プラズモン共鳴(SPR)で観測すると、PCのcmc以下の濃度で、2つの異なるパターンのセンサーグラムが得られた。以上の結果から、SMaseの分子表面上には単分子分散状態のリン脂質を協同的に集合させる部位があり、この部分にリン脂質が集まることで、SMaseの構造変化を誘発して酵素活性が増大することが予想された。現在この部分に存在することが予想されているアミノ酸残基の置換体を調製し、その部位の特定とそのアミノ酸残基の役割を調べている。さらに、SMのリン酸エステル結合を置換した種々の基質アナログを合成し、これらの化合物がSMaseの酵素活性を阻害することを明らかにした。今後はこれらの化合物による阻害様式を明らかにする予定である。
他方、哺乳類由来中性Mg^<2+>依存性SMaseについては、膜結合ドメインを欠損させた変異体が大腸菌によって発現できたが、不溶性画分に含まれていた。現在発現タンパク質の再構成方法の検討している。今後、再構成した酵素を用いて酵素反応速度論に基づく実験を行う予定である。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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