1.気管支平滑筋過敏性発症に関与するサイトカイン受容体の同定 気管支喘息時の気管支平滑筋細胞においてIL13Rα1受容体がup-regulationしており、これによりIL-13 signalingが大幅に増強されており、その結果RhoA transcriptionが亢進してRhoAタンパク質発現が増大することを証明した。 2.気管支平滑筋過敏性発症に関与するSTATサブタイプの同定 マウスアレルギー性気管支喘息モデルに選択的STAT6阻害薬AS1517499をin vivo前処置することにより、気道過敏性およRhoAup-regulationが抑制されることを証明した。したがって、気管支喘息時に気道局所において増加するIL-13が気管支平滑筋に作用し、STAT6依存的にRhoA up-regulationを引き起こし、気管支平滑筋過敏性を惹起する可能性が示唆された。さらに、本モデルマウスの気管支平滑筋においてmiR-133aがdown-regulationしており、これがRhoA up-regulationに一部関与している可能性を示唆した。 3.気管支平滑筋におけるRhoA転写調節領域および転写制御因子の同定 ヒト、マウスおよびラットにおいてRh。A遺伝子のプロモーター解析を行ったところ、転写開始点に最も近いSTAT6 binding領域およびNF-kB binding領域がIL-13誘発RhoA転写活性亢進に関与していることを証明した。さらに、気管支平滑筋細胞においてIL-13刺激によりSTAT6およびNF-kBが実際に活性化されることを証明した。
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