研究課題/領域番号 |
20590095
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
友部 浩二 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (80460286)
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研究分担者 |
野村 靖幸 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (00034041)
金子 雅幸 千葉科学大学, 薬学部, 講師 (10322827)
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キーワード | 老化 / 老化促進マウ / 小胞体ストレス / 蛋白質 / 酸化ストレス |
研究概要 |
1. 本研究ではSAMP8の老化促進発症のメカニズムを解明するために、10ヶ月齢の正常老化マウスと老化促進マウスの肝臓を用いて検討した結果、これまでに老化促進マウスにおいてForkhead転写因子が過剰にリン酸化されていることを見出している。さらに、大脳および海馬におけるForkhead転写因子を調べた結果、同様に老化促進マウスで過剰なリン酸化が起こっていることが明らかとなった。また、Forkhead転写因子の上流にあるPI3K-Aktのシグナル伝達経路を調べたところphospho-Akt(Ser473)レベルが正常老化マウスSAMR1に比べSAMP8の肝臓で異常に低下していることが明らかとなり、Forkheadの過剰リン酸化に脱リン酸化酵素が関与している可能性が考えられた。しかし、Aktの脱リン酸化酵素PTEN、PP1蛋白質発現を調べたところSAMR1とSAMP8の間で差違は認められなかった。また、FOXO1転写因子により発現する遺伝子の発現を調べたところG-6-Pの発現減少が認められた。今後は脱リン酸化酵素PP2A、PP2Bについても検討すう予定である。 2. 酸化ストレスセンサーについても検討を行ったところ、老化促進マウスの肝および大脳において核内転写因子Nrf2の核内への移動が正常老化マウスに比べ少ないことが分かった。近年、Nrf2の核内移動には酸化ストレスやPKC、MAPK、PARK、GSK-3βなどが関与していることが報告されている。さらに、GSK-3βはAktのリン酸化を阻害することで活性化され、Nrf2を核外に移動させることも報告されている。これまでに我々はSAMP8においてAktのリン酸化が異常に低下していることを見出しており、Nrf2の核内移動の減少にはGSK-3βが関与している可能性が考えられることからGSK-3βのリン酸化レベルを調べたところ、GSK-3βのリン酸化レベルはSAMR1に比べSAMP8において減少していることが分かった。また、Nrf2の核内移動の減少によりGSTやNQ01の遺伝子発現レベルも減少していることが分かった。今後はさらにNrf2の上流にある因子を検討する予定である。
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