本研究において我々はSAMP8の老化促進の発症機構を解明する目的で研究を行った。SAMP8は正常老化するSAMR1に比べ酸化ストレスが亢進していることが知られており、酸化ストレス関連タンパク質としてNrf2を検討し、SAMP8の肝臓においてNrf2の核内局在がSAMR1に比べ有意に減少していることが明らかになった。また、Nrf2の上流にあるAktおよびGSK-3bのリン酸化もSAMP8において減少していること及びGSTやNQO1の遺伝子発現の低いことから、SAMP8の老化促進の発症にはNrf2の核内局在の減少による抗酸化酵素の発現低下が関与している可能性が示された。
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