研究課題/領域番号 |
20590098
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
田中 康一 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (30274848)
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研究分担者 |
西山 信好 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (20201692)
佐藤 友昭 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (10284887)
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キーワード | アストロサイト / 酸化ストレス / 過酸化水素 / DNA修復酵素 / DNAポリメラーゼβ / ヌクレオシド輸送体 / CNT / ENT |
研究概要 |
活性酸素種により障害されたDNAの修復において、ヌクレオシド輸送体とDNA修復酵素の意義を明らかにする目的でそれらの活性化機構と遅発性細胞死との関連性を検討した。 ラット培養アストロサイトは神経細胞とは異なり、活性酸素種によりヌクレオシド輸送体の活性化を引き起こし、リボヌクレオシドレダクターゼ阻害薬であるHydroxyureaによる影響を全く受けないことから細胞増殖以外の目的で活性化されていることを明らかにしていた。 ヌクレオシド輸送体には細胞外液のNa^+に依存するConcentrative Nucleoside Transporter(CNT)と平衡型のEquilibrative Nucleoside Transporter(ENT)が知られているが、RT-PCRによりラット培養アストロサイトにはCNT1は存在せず、CNT2、CNT3、ENT1、ENT2が発現していることを明らかにした。また、活性酸素種によるヌクレオシド輸送体の活性化を過酸化水素(H_2O_2)によるチミジン取り込みで評価したところ、細胞外液Na^+の除去及びENT阻害薬であるNBMPR、Dipyridamole、Dilazepにより濃度依存的に抑制され、また、細胞外液Na^+の除去時において、ENT1を阻害する100nM NBMPRではなく、ENT2を阻害する1mM Dipyridamoleによる阻害効果を確認した。チミジンはCNT2からの取り込み感受性が低いことが知られており、H_2O_2によるチミジン取り込みは主にENT2とCNT3を介することを明らかにした。さらに、H_2O_2による遅発性細胞死に対するCNT、ENTの関与を細胞生存性の評価により検討したところ、それら輸送体活性を抑制することにより遅発性細胞死は促進された。 DNA修復酵素としてはポリメラーゼβ(polβ)が知られているが、RT-PCRによりラット培養アストロサイトに存在することを明らかにした。また、polβ阻害薬であるd_2TTPによりH_2O_2によるチミジン取り込みは濃度依存的に抑制され、遅発性細胞死は促進された。 以上より、活性酸素種によるヌクレオシド輸送体を介するチミジン取り込みの促進は、DNA修復酵素の活性と関連し遅発性細胞死に影響を与える可能性が示唆された。
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