研究概要 |
癌はいまだ死因のトップに挙げられており、新たに多剤耐性化の問題が表出するなど、現在でも新規抗がん剤リード化合物の探索研究は緊急に取り組むべき課題のひとつである。本研究では、培養がん細胞増殖抑制活性を指標にすると共に、それに加えて多剤耐性機構の重要な機構の1つである薬物排出トランスポーターの機能を阻害する活性や、新しい試みとしてがん細胞の不死化に関係するテロメラーゼの主要サブユニットであるhTERTの発現抑制活性を指標にして探索研究を進めるた。本年度は、昨年度までに見出した抽出サンプルについてその活性本体の分画精製を進め、その過程で、オオバイノモトソウPteris cretica, ダンギクCaryopteris incana, コニシキソウEuphorbia supina, ヒラミカンコノキGlochidion rubrumなどについて新規化合物を得たので、NMR、MS、IR、UV、CDスペクトル等の解析や化学的方法を組み合わせて検討した結果、絶対配置を含めた化学構造を決定し、それぞれ英文国際誌にて報告した。
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