研究課題/領域番号 |
20590108
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
山本 恵子 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90147017)
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研究分担者 |
伊藤 俊将 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (80536110)
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キーワード | 核内受容体 / ビタミンD / アゴニスト / アンタゴニスト / 結晶構造解析 / 高度不飽和脂肪酸 / ビタミンD受容体 / PPAR_γ |
研究概要 |
我々は、活性型ビタミンDの22位にブチル基をもつ新しいクラスのビタミンD受容体(VDR)リガンドを創製し、それら一連の化合物は側鎖末端構造の違いによりアゴニストからアンタゴニストまで多様な活性を示すことを報告した。本年度は、疎水性相互作用が増強されたアナログを設計・合成し、生物活性を評価し、VDRとの複合体のX線結晶構造解析を行った。その結果、合成化合物はアゴニスト活性を示し、VDRにブチルポケット形成を誘導し、側鎖末端のアルキル基とヘリックス12の残基が強く疎水性相互作用していることを明らかにした。以上の研究成果から、22位にブチル基を持つ化合物はブチルポケットを形成すること、VDRのヘリックス12との疎水性相互作用の欠如がアンタゴニスト活性発現に必要であることが明らかになった。 我々は4-oxoDHAがPPAR_γへ共役付加する事を報告した。共役カルボニルを有するoxo型脂肪酸は天然に多数存在するがPPAR_γへの結合様式はほとんど解明されていなかった。そこで、4-oxoDHAを基に、増炭した脂肪酸5-oxoTrHAおよび6-oxoTHAをDHAを出発原料として合成した。5-oxoTrHAと6-oxoTHAは、ルシフェラーゼアッセイによりPPAR_γを活性化すること、質量分析によりPPAR_γに共有結合する事が示された。また、X-線結晶構造解析より4-oxoDHAと5-oxoTrHA及び6-oxoTHAの共有結合様式はそれぞれ異なっている事が示された。大きいリガンド結合ポケットをもつPPAR_γは多様な脂肪酸に応答するリピッドセンサーと考えられているが、oxo-脂肪酸がPPAR_γに共有結合しinduced fitしたことからPPAR_γは多様な脂肪酸に多様な様式で結合することが示された。
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