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2010 年度 実績報告書

多剤耐性菌における多剤耐性系の系統的解析と耐性菌に有効な医薬品の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590120
研究機関岡山大学

研究代表者

土屋 友房  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80012673)

キーワード多剤耐性菌 / 多剤排出ポンプ / MRSA / VRE / 抗菌物質
研究概要

人類の死亡原因(世界保健機関(WHO)の統計)の第一位は相変わらず微生物感染症である。わが国や欧米諸国などの先進諸国では、特に多剤耐性菌による感染症が大きな問題になっている。多剤耐性菌には多くの抗菌薬や消毒薬が効かない。また、有効な抗菌薬があってもそれらを多用すると比較的簡単に耐性化してしまう。本研究は、近年臨床現場で重大な問題となっている多剤耐性菌(MRSA、緑膿菌など)について、多剤排出ポンプなどの多剤耐性系を系統的に解析することを目指すものである。そして同時に、耐性菌に有効な医薬品(新規抗菌物質、耐性系阻害物質、病原性を減弱する物質)の開発を目指すものである。
まず、ゲノム情報を活用し、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、肺炎桿菌、セラチアなど、臨床現場で大きな問題になっている多剤耐性菌の多剤排出ポンプを中心とする耐性系遺伝子を推定し、それらの中で、主要と考えられるものについて系統的遺伝子クローニングと解析を行った。前年度に引き続き、いくつかの新たに遺伝子クローニングができ、それら推定ポンプの生化学的な解析を進めた。MRSAについては、新規解析用宿主が構築できたので、それを用い、全推定多剤排出ポンプ(37個)すべての詳細な解析ができた。また、MDRP、肺炎桿菌、セラチアについてもそれぞれからいくつかの新しい多剤排出ポンプのクローニングと解析ができた。また、新しい解析法も開発することができた。
一方、耐性菌に有効な抗菌物質について非常に興味深い物質を見つけた。MRSAとバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対して、これまでに我々が見出した抗菌物質の効力を上回るものを見つけた。この物質は植物由来物質としてはこれまでに報告された物質の中で極めて強力な効果を示すものである。これについては特許申請を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Patch Clamp Analysis of the Respiratory Chain in Bacillus subtilis2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura K.
    • 雑誌名

      Biochim.Biophys.Acta

      巻: 1808 ページ: 1103-1107

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Design, synthesis and biological evaluation of a novel series of quercetin diacylglucosides as a potent anti-MRSA and anti-VRE agents.2010

    • 著者名/発表者名
      Hossion A.M.
    • 雑誌名

      Bioorg.Med.Cehm.

      巻: 20 ページ: 5349-5352

    • 査読あり
  • [学会発表] Serratia marcescens消毒薬耐性変異株の分離と耐性系の解析2011

    • 著者名/発表者名
      芳賀仁美
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      静岡市
    • 年月日
      2011-03-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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