研究課題/領域番号 |
20590123
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森元 聡 九州大学, 薬学研究院, 教授 (60191045)
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研究分担者 |
玉田 太郎 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 副研究主幹 (50391248)
田浦 太志 九州大学, 薬学研究院, 助教 (00301341)
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キーワード | ネクローシス / カンナビノイド / ミトコンドリア / THCA / Cyclophilin D / VDAC |
研究概要 |
本年度は、植物ネクローシスを制御する因子であるCYDおよびVDACの同定を目的として、様々な検討を行った。まず、植物のネクローシスの性質に関して、詳細な検討を行った結果、THCAのみならずCBCA、CBDA、CBGAなどのカンナビノイドに強いネクローシス誘導活性があることを確認した。これに対してTHCAの脱炭酸体であるTHCやカンナビノイドの構成ユニットであるオリベトール酸などにはネクローシス誘導活性はきわめて弱いことから、酸性カンナビノイド骨格がネクローシス誘導因子として、重要であることを発見した(Plant Sinahng&Behaviorに発表)。これらの結果は、CYDやVDACなどに酸性カンナビノイド結合部位が存在するものと推察された。そこでCYDやVDACを同定するために、カンナビノイドをリガンドとするアフィニティ担体を調製し、CYDとVDACの精製を試みている。具体的には、タバコ培養細胞からミトコンドリアを単離し、粗タンパク液を調製した。これを上記の担体を充填したカラムに付し、吸着したタンパク質の解析を現在行っている。CYDとVDACが確認でき次第、本因子の抗体を調製する計画である。これらの実験とともに、また、タバコ培養細胞を用いて、CYDおよびVDACの遺伝子クローニングを検討した。この結果、いくつかの遺伝子のクローニングに成功したので、現在、これらの発現実験を試みている。現在発現系として、大腸菌を用いているが、発現量が少ないために、酵母や昆虫細胞を用いた:系の構築も併せて進めている。
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