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2008 年度 実績報告書

セレン化合物による2型糖尿病の発症予防とその作用機序

研究課題

研究課題/領域番号 20590128
研究機関摂南大学

研究代表者

上野 仁  摂南大学, 薬学部, 准教授 (20176621)

キーワードセレン / 糖尿病 / 亜セレン酸 / 耐糖能 / インスリン / 血糖値 / 酸化的ストレス / グルタチオン
研究概要

自然発症2型糖尿病モデルであるNSYマウスを用い、セレン欠乏状態から栄養生理上限レベルまでの各段階のセレン状態における糖尿病発症の予防に有効なセレンの化学形と最適摂取量およびその作用機序を明らかにする目的で検討を行った。4週齢のNSY雄性マウスにセレン欠乏試料摂取群および通常試料摂取群を設定し、標準的なセレン化合物である亜セレン酸ナトリウム含有飲料水を3段階の各濃度群で自由摂取させたところ、通常飼料摂取群では、セレンの摂取に関係なく十分に高いセレン状態であったのに対し、セレン欠乏飼料摂取群ではセレン摂取量に依存して、セレン状態が欠乏レベルから十分に高いレベルになることが確認された。そこで、これらのマウスを用い、耐糖能低下に対するセレン状態の影響について検討した結果、セレン欠乏飼料摂取群では高セレン状態において糖負荷後の血糖値が低下した。また、このときの血漿中インスリン濃度は高セレン状態において反対に増加した。
各種セレン状態のマウスを用い、膵臓中グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)1活性、還元型グルタチオン(GSH)含有量およびチオバルビツール酸反応生成物(TBA-RS)値を測定した。その結果、セレン欠乏飼料摂取群において膵臓中のセレン状態が高くなるとともに、GPX1活性が誘導された。しかしながら、セレン状態に関係なくセレン欠乏飼料の摂取によって膵臓中GSH含有量は低値を示すとともに、TBA-RS値は高値を示すことが認められた。このことから、高セレン状態では膵臓中GPX1活性は上昇するが、セレン欠乏飼料を摂取させた場合に膵臓のGPX1/GSH系は酸化的ストレス防御系として十分に機能していないことが示唆された。
以上の結果より、セレンの欠乏状態がNSYマウスの耐糖能低下を促進するが、このマウスのセレン状態を高めることによって耐糖能低下が改善されることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] セレンの糖尿病マウスモデルに対するインスリン様作用2009

    • 著者名/発表者名
      上野仁, 清水良, 奥野智史, 坂崎文俊, 中室克彦
    • 学会等名
      フォーラム2008衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      熊本市民会館
    • 年月日
      2009-10-17
  • [学会発表] セレンによる糖尿病マウスモデルの耐糖能改善効果2008

    • 著者名/発表者名
      清水良, 上野仁, 原義浩, 奥野智史, 坂崎文俊, 中室克彦
    • 学会等名
      第58回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      神戸薬科大学
    • 年月日
      2008-10-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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