研究概要 |
インフルエンザ感染初期気道内における単球/マクロファージからのIL-12産生が、感染にともなうサイトカインカスケードによる感染病態の進行や宿主防御反応の重要な起点と考えられる。そこで、IL-12産生の制御ができれば、感染病態を軽症化できる可能性が考えられる。このため、本研究では肺胞マクロファージからのIL-12の発現、産生機序をin vitroで解明することにより、IL-12産生制御が可能なシグナル伝達経路を明らかにすることを目的とする。そこで、平成20年度では、肺胞マクロファージにおけるIL-12産生機序を解明するため、以下の実験、解析を行った。 1.マウス肺胞マクロファージにおけるIL-12産生誘導因子の解析 インフルエンザウイルスあるいは不活化インフルエンザウイルスをマウスに経鼻接種後、経時的に肺洗浄液中のIL-12産生が、他のサイトカイン(IL-18,TNF-α,IFN-α、β、γ)より早く感染1日目で検出できるので、感染1日目の肺胞洗浄液中の細胞をFACS解析し、肺胞マクロファージを分取することを試みた。また、非感染マウスからの肺胞マクロファージの分取を試みた。しかし、十分な細胞数の肺胞マクロファージを得ることができなかったため、肺胞マクロファージにおけるインフルエンザウイルス感染によるIL-12発現系の確立が未だ不十分であるので、更なる改良を加えている。
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