研究概要 |
化学物質による健康障害についてその発症メカニズムを解明するために、ポリモーダル受容器であるTRP(Transient Receptor Potential)イオンチャネルに着目し、室内環境、特に室内空気中のカルボニル化合物の影響を明らかにすることを目的として、今年度は先ず、今までに化学物質刺激に対する応答が報告されている主要なTRPイオンチャネルであるTRPV1、TRPV2、TRPV3、TRPV4、TRPA1及びTRPM8を対象として、Human Dorsal Root Ganglion Total RNA及びHuman Skin Total RNAからRT-PCRによって各TRPイオンチャネル遺伝子のcDNAをクローニングし、組換え反応により染色体上の同一部位に目的遺伝子を導入できるFlp-In Systemを用いて、TRPイオンチャネルを安定的に発現する哺乳動物細胞株を樹立した。 なお、樹立した細胞株について、Western blotでタンパク質レベルでの発現を確認し、各イオンチャネルTRPV1、TRPV2、TRPV3、TRPV4、TRPA1及びTRPM8のそれぞれについてその代表的なAgonistであるCapsaicin、Cannabidiol、Camphor、4α-Phorbol-12,13-Didecanoate、Cinnamaldehyde、及びMentholによるCa^<2+>イオンの細胞内流入を指標に、イオンチャネルとして機能することを確認した。
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