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2010 年度 実績報告書

ヒト胎児肝細胞におけるCYP3A分子種の発現変動要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20590142
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

松永 民秀  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40209581)

研究分担者 大森 栄  信州大学, 医学部・附属病院, 教授 (70169069)
キーワードヒト胎児 / 肝細胞 / リファンピシン / 転写活性 / コアクチベーター / コリプレッサー / 低酸素 / 低酸素誘導因子
研究概要

ヒト胎児肝(HFL)細胞においてリファンピシン(RIF)でCYP3Asが誘導されない原因の1つとしてpregnane X receptor(PXR)の低発現が示唆された。また、PXR以外の他の転写因子の関与が示唆されたため、CYP3Asの転写活性に関与するコアクチベーターとコリプレッサーのmRNAの発現量を比較した。その結果、HFL細胞ではコアクチベーターであるhepatocyte nuclear factor 4α(HNF4α)、peroxisome proliferator activated receptor γ coactivator 1α(PGC1α)の低発現が確認された。また、HNF4α、PGC1αによって発現が調節されている遺伝子の発現は、HFL細胞において検出限界以下であった。したがって、HFL細胞ではHNF4αによる転写活性を促進するPGC1αの発現量が低下していること、さらにHNF4α自体の発現量が低いことが原因となり、RIFによるCYP3Asの誘導が制御されている可能性が示唆された。擬似低酸素誘導化合物desferrioxamine(DFO)存在下、CYP3A4及びCYP3A7のmRNA発現は有意に上昇した。一方、3%O_2条件下ではCYP3A4発現は顕著な変動はないのに対し、CYP3A7発現は減少傾向を示した。血管内皮増殖因子Vascular Endothelial Growth Factor(VEGF)mRNA発現及び低酸素誘導因子Hypoxia-Inducible Factor-1α(HIF-1α)タンパク量はDFO及び3%O_2条件下で有意な増加が認められた。CYP3A遺伝子上流域約10kbではDFOによるプロモーター活性の上昇は認められなかった。以上の結果より、HFL細胞のDFOによるCYP3A誘導には直接的にHIFが関与せず、DFOに対し胎児特異的な応答性を持ち、他の成熟肝細胞とは異なるCYP3A発現調節機構を持つことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 大型類人猿の肝薬物代謝酵素の特性について2011

    • 著者名/発表者名
      星山望、中村克徳、松永民秀、大森栄
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] 正常ヒト胎児肝細胞のCYP3A発現に及ぼす擬似低酸素誘導化合物デフェロキサミンの影響2011

    • 著者名/発表者名
      青沼安希子, 鈴木英二, 中村克徳, 松永民秀, 大森栄
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] ヒト卵膜および胎盤におけるCYP3A遺伝子の発現とTestosterone 6β-水酸化活性2010

    • 著者名/発表者名
      前澤佳代子, 他
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2010/第18回クリニカルファーマシーシンポジウム
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島)
    • 年月日
      20100710-20100711
  • [学会発表] 正常ヒト胎児肝細胞のCYP3A発現に対する擬似低酸素誘導化合物の効果2010

    • 著者名/発表者名
      青沼安希子, 他
    • 学会等名
      平成22年度 日本薬学東海支部例会
    • 発表場所
      静岡県立大学(静岡)
    • 年月日
      2010-11-28

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公開日: 2012-07-19  

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