研究課題
神経細胞に発現する膜貫通型分子コンタクチン関連蛋白質(Caspr)であるCaspr2は軸策のジャクスタパラノードに局在し、Kチャネルの局在化に関与すると共に、難治性てんかんの遺伝的素因の一つとして同定された。しかし、Kチャネル局在化への分子機構は明らかにされていない。本研究ではCaspr2細胞内部分と結合する分子carboxypeptidase E (CPE)を同定し、膜輸送との関連について検討してきた。今年度の研究実績を以下に示す。(1)ラット視神経の免疫染色により、ミエリン部にCaspr2染色は確認できたがCPEの明らかな局在は認められなかった。(2)CPEとKチャネルの免疫沈降実験では両分子間の直接結合を認めなかった。(3)大脳皮質の蔗糖濃度勾配分離法による細胞内各分画において,Caspr2及びCPEの両分子はGolgi/ERに共局在した、(4)Caspr2及びCPEのcDNAsを単独導入したCOS-7細胞では、各々、Golgi/ER分画に存在した。(5)両分子cDNAsを導入し共に強発現させた細胞ではGolgi/ERに共局在すると共に、Caspr2の一部は細胞膜へも移送された。以上の5点であった。他に、難治性てんかん患者の血液から遺伝子変異の探索を行う予定であったが、遺伝子変異に伴う難治性てんかん発症の割合が1%であることから本研究課題における遺伝子探索を断念した。以上の結果から、本研究において、Caspr2とKチャネル間の相互作用における鍵分子の発見には至らなかったが、Caspr2はCPEとの結合によりトランスゴルジ輸送系を介して膜へ移送されることを明らかにした。
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